年齢を重ねていくと、近い距離にピントを合わせる視力が衰えてきます。
ごく自然な事で、生理的に止める手立てはありません。
そんな手元が見え難くなった世代の、フライフィッシングを趣味に持つお客様からのご相談です。
手元で仕掛けを見る際にボヤけて見えないとの事で、偏光サングラスを掛けたままでも、手元が見えるレンズはないか?
フィッシングの際中に、手元で仕掛けをなおす度に、掛けている偏光サングラスを外して、老眼鏡に掛け替えるのは面倒だし、一瞬の時合を無駄には出来ません!
今回のお客様は、当店で行った視力測定において、遠くを見る視力は左右とも問題が無く、お近くを見る時にだけ度数が必要だと分りました。
遠近両用レンズの様に、遠くから近くへと度数が変化する、境目の無いレンズも選択肢としてありましたが、手を伸ばした先以上は裸眼でしっかりと見えていましたので、<裸眼>と<手元>の2種類の度数で良いと判断し、2重焦点レンズをご提案させて頂きました。
今ではすっかり馴染みが無くなってしまった2重焦点レンズ(バイフォーカルレンズとも呼びます)。
加工する前の丸いレンズの下方に、近くを見る為の丸型や半円型の小玉が搭載されているレンズです。
遠近両用レンズと違い、遠くと近くがはっきりと別れたレンズの為、歪みが無く、それぞれがはっきりと見えるのがメリットです。
見た目に境目がわかってしまうのと、急に度が変わる(ジャンプする)のがデメリットです。
視力測定後、度数が決定したら、お顔に合わせてフレームを調整します。
その後、お客様の目の位置がどこにくるのか計測します。
基本的に小玉位置の設定は下眼瞼に合わせますが、フィッシングでは足場の悪い所を歩いたりする為、小玉が視界の邪魔をしないよう、特別なセッティングにしました。
鏡を使用したミラー法で、近くを見た時の目の位置も確認し、小玉位置を決定しまます。
オーダーしたレンズを、フレームに合わせて加工する際も少しテクニックが必要ですが、眼鏡屋さんはこういった加工は結構好きです(笑)
完成したものがこちら。
全然、境目は目立たないですよね?
境目がわかるように写真を撮る方が難しいぐらいです。
今回の偏光サングラスは、SMITHのTakeFiveSwitchという、度付きレンズの表側にスライド式で偏光レンズを取り外しできるモデル。
偏光レンズのカラーを状況に合わせて交換できたり、必要のない時は外して透明レンズで使用できたりする優れもの!
お客様のご要望通り、偏光サングラスを掛けたままでも、手元の仕掛けが見えるレンズの完成です。
お渡し時に、使い方やお手入れ方法などを再度ご説明し、仕上がりにご満足頂けたようです。
今回は、遠くの度数は入れないで製作しておりますが、遠くもお度数が必要な場合の2重焦点レンズも、もちろん製作可能です。
我慢して目ががんばるよりも、楽に見えた方がフィッシングもより快適に楽しめますし、釣果にも繋がりますよ~♪
手元が見え辛いアングラーの方、お気軽にご相談下さい。
オードビー大阪 難波